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鳳凰小屋

9ヶ月も前からここに行く計画を立てていた。
実は凄いムシヒキアブがこの「鳳凰小屋」の周りで採れていることを運命のいたずらで知ることになり、その発見した本人である異節群の甲虫がご専門のヘテロメラさんとともに、これまた運よく行くことが出来ることとなり、胸が高まっていた。凄いムシヒキアブ以外にもこの「鳳凰小屋」では特有のカミキリムシなど、すばらしい虫たちの宝庫だということもあり、居ても立ってもいられなかった。
前日から近くでマメゾウムシがご専門のGenita_Kさんと宿泊し、当日の朝を迎えた。
車で登山口の御座石鉱泉まで向かう。
かなりでこぼこした道と舗装された道の繰り返しを経て、登山口へ。
朝の7時半くらい。もう既にたくさんの車が駐車されていた。
着いてすぐ、あれ?見たことある方々がいる・・・。凄腕のディプテリストのあの方々・・・。
BFさんとS井さん?なんで本土じゃない方がここに??わけがわからなかった。
降りて挨拶するとやはり本人たちだった。
採集にここまできているという。やはり凄腕のディプテリストであるH沢さんも一緒だと!
そしてH沢さんは「鳳凰小屋」に行くのだと!
なんてこと!虫屋「鳳凰小屋」大集合じゃないですか!
H沢さんがいらっしゃったので、挨拶。なんか上でトラップをしかけるらしい。
う~ん、幾つになっても情熱のある方はすごい。
と、後ろを見ると、あれ?ヘテロメラさん!
気付かなかった・・・大変すいません・・・。
と、当初の予定の3人が揃ったところで、登山道・・・というところをヘテロメラさんが約1時間ショートカットできる道を教えていただきました。ありがたいことです。
こんなところがスタート地点。
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少し歩くと、本道の登山道に合流します。
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やあ、いい状態だ。ピドニアもきている。
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ショウマやシシウドをちらちらと見ながら、けっこうきつい道を登っていきます。
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かなり危ないところも多かったです。
踏み外せば・・・大変。
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序盤の旭日岳に到着。
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さあ、まだまだ目指す先は遠い。
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また危険ゾーン。いったいいくつこういうのがあるのかな。
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ひたすら登るGenita_Kさん。
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しばらくして、急に開けました。
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燕頭山に到着!きつかった!これからしばらくは少し楽な道になるみたい・・・
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少しして、ヘテロメラさんがこんなところを叩いてくれました。
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すると、落ちてきたのは、なんとヘテロメラさんが命名したUsechus sasaji!
今は和名はミヤマヨコミゾコブゴミムシダマシでいいんでしたか?
いずれにしても自分が名前をつけた虫を自分で採れるっていいなあ。
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さて、まだまだ先はあります。
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晴れているとオベリスクが見えるのだそう。
地蔵岳の山頂部はオベリスク(地蔵仏)と呼ばれる巨大な尖塔があり、鳥のくちばしに満たれられることから鳳凰の山名由来になっていると考えられている。
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こんなところを過ぎて・・・
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登山開始から6時間後!ようやく鳳凰小屋に到着!採集しながらとはいえ、遠かった!かなりきつかった!
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鳳凰小屋オーナーの細田さんが珈琲をいれて出迎えてくれる。
実は細田さん、凄腕の甲虫屋さんで、ホソダクロコメツキやホソダヒメカネコメツキなど自分の名前のついた甲虫がいくつもある。そして、ヘテロメラさんとは親しい間柄であった。
そう、鳳凰小屋とは虫屋にとても優しい宿なのであった。
と、ヘテロメラさんがとても重そうにしていたザックからなにかをたくさん取り出した。
全部、野菜・・・
なぜ野菜を運んで、鳳凰小屋にもってきたのかそのときはよくわからなかったが、夜、その重大な事実を我々は知ることになる。
では、鳳凰小屋の様子を・・・
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細田さんがこれがイケダイの脱出口だと指をさす。
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イケダイとは、和名がホソムネシラホシヒゲナガコバネカミキリという長い名前のカミキリムシである。
学名がMolorchus minor ikedaiというので、ikedai、つまりイケダイと短く呼んでいるのである。
このカミキリムシ、実はここでは普通に見ることができるのに他ではお目にかかれないそうなのである。
不思議なカミキリだ・・・
しかも脱出口は人工物と化している。
う~ん。
あ、生体だ。
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あまりよく撮れてませんが、また2日目にきれいな写真を載せます。
ついでにマレーズトラップも設置。
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何が入るかな?

さて、小屋の周りをいろいろ見ていたら、これまたすごい収穫が・・・
ちょっと内緒です。

そして他にもびっくりしたことが。
なんと鳳凰小屋で、まだお会いしたことがない池修さんと出会ってしまいました。
なんたる偶然。そして後からH沢さん到着。本当に虫屋が標高2400m付近で大集合してしまった。

夜、日が暮れる前に夕食となった。
夕食はカレーが名物とある。カレー?
あ、あのヘテロメラさんが運んできた野菜たち!
このようにして、このカレーは作られているのである!
しかもおかわり自由!
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とてもおいしかったので、超早いスピードで食べ、おかわりを申し上げると、横からGenita_Kさんが、すごい早いですね、というので、「カレーは飲み物だからね」とわざと大声で切り返すと、周りの知らない皆さんがどっと笑ってくださった。緊張もほぐれていい感じだった。

そして忘れてはならない鳳凰小屋のすばらしきスタッフのみんな。
ブログにのっけてもいいですということだったので、載せます!
本当に気がきいていて、いまどきの若い子とは思えない。
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夜はかついできたスクリーンとブラックライトでライトトラップをやらせていただきました。
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なんか・・・見たことない蛾がたくさん。
下山したら素敵なことになるな・・・そう瞬間的に思いました。
他の宿泊客がわいわい、あれはなんだと口々にいいます。
あれがライトトラップだ!虫屋はそう言い張ります。
遠くで見ているのが一般客。
虫屋はこうやって見にきます。
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そして、1日の締めくくりはオーナーと従業員のみんなと一緒に一杯。
本当にすばらしい、気持ちの良い人々。
タトウを見せてくれたり、話を聞かせてもらえたり。
ランプの下で、話は盛り上がります。
オーナーは左端。これも従業員のみんながOKというので載せました。
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そして感動の初日は終わったのでした。

続く。

  by ryuhixryuhi | 2012-07-30 23:04 | 未分類

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