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オオネクイハムシ

オオネクイハムシ Donacia constricticollis (Jacoby, 1885)。栃木県ではレッドリスト種に指定されている。今日ちょっとだけ寄った場所では毎年見られるのだが、局所的で数もあまり多くない。しかも去年ごろから水環境が悪くなってきており、生息の存続が危惧される。大きな原因は、里山の荒廃。このあたりは棚田が多く、山間に田んぼが少なくないのだが、農業従事者の老齢化で放置されているところが目立ってきた。すると、田んぼをやらないから、水回りが悪くなる→周辺湿地の水回りにも影響する→乾燥化が進む→乾燥に弱い植物がやられる→その植物に依存する虫がやられる。こういう図式である。つまり人間が間接的にこういう虫たちの生息環境を守っていたわけで、その図式が崩れるとこういうことにつながる。そういう事実があまり知られていないことは事実で、我々のような虫屋がそういうことを伝える役割が多少ともあることを忘れてはならないと思う。

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  by ryuhixryuhi | 2014-05-24 16:32 | ハムシ科

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